2015年8月10日月曜日

EMAのα値を状況に応じて可変させると何かが分かる?

トレンドフォローにおける最大の問題点は、どのように騙しに強くするのか?という問題があります。私の最も参考になっているロケット工学投資法には、サイクル分析による位相においてEMAのα値を変化させる適応移動平均(MAMA)というプログラムが記載されています。

ざっくりいうと、周期分析における位相変換の45度単位にEMAパラメータをリセットして段階的に変化させるというプログラムです。
ただこのプログラムですが、どうにもいろいろ納得いかない事がたくさんあります。

そもそも、周期成分を取り除くのであれば、位相変化の0度と180度の所で大きく変化させて、周期の際には小さく変化させるという方が良いのではないでしょうか?イメージ的にはこんな感じです。
phase180.png

ところが、単純にこの通り組むと、トレンド時は大きく動いて、レンジ時は全く動かないという動作をします。そのためレンジからトレンドに変位して周期解析の位相が0か180に張り付き始めるまで動かないという微妙感じになってしまうのです。

そこで、先週上げたHLラインの考え方を取り入れます。上記の位相変化に加えて、高値もしくは安値を更新し始めたらレンジから脱出を始めたととらえて変化量を大きくする事を思いついたので実装してみました。

こうして作ったのが次のVEMAとなります。
vemahl.png
適応移動平均の考え方は取り入れて、素早く動作するVEMAと1/3のαで動作するFVEMAの二つのラインを描画しています。
周期的な値動きに対しては動作を鈍くして、高値安値の更新時には素早く動作するようにして、通常の移動平均ラインクロスに対して、即応性と耐ノイズ性を両立させることを目標にしました。

もうちょっと拡大してみてみます。
どういった動きになるかというと、このように上昇トレンドの場合、上昇の動きに対しては素早く反応して下降の動きには鈍く反応するようになります。
vemahl2.png

EAでEURUSD 1H 2010/1/1から2015/7/31までラインのクロスで売買した結果がこちら。
VEMACross.gif
30pips分評価益が出たら5pipのところにストップを置くというポジション戦略をとっています。トレイリングは行っていません。
初期証拠金 10000.00 スプレッド 15
総損益 4223.60 総利益 27285.00 総損失 -23061.40
プロフィットファクター 1.18 期待利得 3.61
絶対ドローダウン 247.00 最大ドローダウン 1273.90 (10.44%) 相対ドローダウン 10.44% (1273.90)
総取引数 1171 ショートポジション(勝率%) 584 (53.08%) ロングポジション(勝率%) 587 (53.66%)
勝率(%) 625 (53.37%) 負率 (%) 546 (46.63%)
最大 勝トレード 300.00 負トレード -120.00
平均 勝トレード 43.66 負トレード -42.24
最大 連勝(金額) 12 (285.50) 連敗(金額) 12 (-272.30)
最大化 連勝(トレード数) 612.40 (5) 連敗(トレード数) -418.30 (6)
平均 連勝 2 連敗 2

パラメータの最適化とは行っていません。時間フィルタは週末のロンドンフィキシング以降はポジションを取らないという事だけです。
とりあえずは、利益確定にさえ気を付けると、ちゃんと+になるロジックということですね。

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追伸、明日からお盆休みで日本にもいないため、来週からのブログ再開となります。コメントも来週見ることになりますのでご了承ください。