スクリプトでインジケータ値を計算する際の勘所をかいておきたいと思います。
Pineでの計算関数一覧みたいなのを期待された方はごめんなさい。Trading View社の日本語化が進むことを期待したいと思います。
(もしくは、やるのでTrading View社さん雇ってくれないかなぁ・・・w)
Trading Viewの計算処理はなれると簡単ですが、変数の扱いが少しだけ特殊です。C系のプログラムをやっている方にとっては、考え方の切り替えが必要になってきます。
まず、呼び出しルールです。
上のチャートの場合、画面にバーが26本見えています。
この場合、スクリプトは26回呼び出されます。
その時、常に描画対象のバーをインデックス0として呼び出されます。
MQLのように昔のバーを描画する際に、forループで回す必要がないのはこのためです。
この制御は、移動平均など、常にバーに対して描画が発生するインジケータの作成をとても簡略化します。
例えば、単純移動平均のスクリプトは、次の通りです。パラメータ入力を含めても5行で終わります。
//@version=3
study("テストスクリプト", overlay = true)
_period = input(21, "Period")
_source = input(close, "Source", type=source)
plot(sma(_source, _period))
ただし、この制御のおかげで、強い制限がかかっている箇所があります。
その説明の前に、変数は配列扱いになっているという部分を見ていきたいと思います。
//@version=3
study("テストスクリプト")
_period = input(21, "Period")
_source = input(close, "Source", type=source)
_sma = sma(_source, _period)
//5本前のデータを参照する
_drawSma = _sma[5]
plot(_sma )
plot(_drawSma , color=red)
_sma = sma(_source, _period)で宣言した(何度も書きますが=は変数宣言構文です)
_sma変数に対して[5]というインデックス参照を行う事で、前のバーの計算結果を見ることができます。実行すると、赤線で5本遅れの移動平均が描画されます。(ちょっとわかりやすくするためにサブチャートとして出しています。)
EMAなど、前のバーの情報を見たい場合は、このテクニックを利用すれば計算可能です。
で、制限なのですが、MT4では普通に過去配列値を変更可能です。Fractalなど、自分のバーからみて未来情報も参照しているような場合、さかのぼって値を変更する制御を行ったりします。
Trading Viewでは、この書き換えという制御に強い制限が入っています。
//@version=3
study("テストスクリプト")
_period = input(21, "Period")
_source = input(close, "Source", type=source)
_sma = sma(_source, _period)
//5本前のデータを参照する
_drawSma = _sma[5]
//過去の書き換えはコンパイルエラーになる
_drawSma[2] := 0.0
plot(_sma )
上記のように、MQLでは普通に見かける書き換えロジックですが、Pine スクリプトでは実現できません。
このため、Zigzagのように書き換え前提となっているインジケータの実装には、手間がかかる事となります。
書き換えが発生しないインジケータは簡単に実装可能だが、過去の書き換えが発生するインジケータはとても手間がかかるということです。
2017/05/31追記
Pineスクリプトですが、計算中バーから未来情報は基本参照できません。そのため、計算中バーより未来が存在するかどうか、したとして何本存在するかなどは全く計算が行えません。
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